お酒をやめたければ、まず適正飲酒量を知るべきです。
男性で1日平均20g、女性はこの半分の1日平均10g
これが「節度ある適度な飲酒」だと厚生労働省が定義している純アルコール量です。
純アルコール量は化学物質としてのアルコール量であり、単位はグラム(g)です。
ミリリットル(ml)やシーシー(cc)ではありませんよ。
そのお酒の中にどれくらいの量のアルコールが溶け込んでいるのかということです。
この記事では、「節度ある適度な飲酒」(=適正飲酒量)についての下記疑問3点と多量飲酒について解説していきます。
疑問2)なんで女性は男性の半分?
疑問3)20gって具体的にはどれくらい?
適正飲酒量に関する疑問
よく「節度ある適度な飲酒」って言われますが、実際どれくらいかよく分かりませんよね。
1つずつ解説していきますね。
疑問1)なんで1日20g?
これは、飲酒と死亡率の間に「Jカーブ現象」と呼ばれるものが確認されているからです。
死因別、飲酒別の相対リスク

※2022年12月にe-ヘルスネットから削除されました
上記の図を見てみます。
1日平均飲酒量が20gを超えてくると、がんや心血管疾患による死亡率が高くなっていきます。
一番左の「禁酒者」とは、以前に飲んでいたけれども現在はお酒をやめている人たちです。
この「禁酒者」はベースに健康問題を持つ者が多いと書かれているので、もともと死亡リスクが高いグループなのだと推測されます。
逆にいうと、何か自分に健康問題でも起こらないと禁酒しないということですね。
何かあってから禁酒してももう遅いということです。

※2022年12月にe-ヘルスネットから削除されました
ちなみに上記は、欧米での大規模な研究データです。
こちらでも「Jカーブ現象」がみられています。
こういった根拠を元に、1日20gといわれています。
疑問2)なんで女性は男性の半分?
女性の適正飲酒量が男性よりも少ないのは、一般的に、女性は男性よりもアルコール分解速度が遅いからです。
アルコールの分解速度は個人差が大きいことが知られていますが、平均すると
男性で1時間に9g、女性で1時間に6.5gくらいといわれています。
また、肝臓の大きさにも影響されます。
肝臓が大きいほどアルコール分解が速いということです。
疑問3)20gって具体的にはどれくらい?
純アルコール量20gといってもピンときませんよね。
でも計算方法さえ覚えてしまえば、自分がどれくらいの量のアルコールを毎日飲んでいるのか把握することができます。
算数をやる感じになってしまっていますが、
純アルコール量= 酒の量(mL) × 濃度(%または度) × 0.8(アルコールの比重)
が計算式です。
たとえば、500mlの生ビール(5%)の場合だと、
500ml×0.05×0.8=20gとなります。
多量飲酒とは?
厚生労働省は「多量に飲酒する人」を次のように定義しています。
“多量に飲酒する人=純アルコール1日平均約60gを超えて飲む人”
ですので、500ml缶ビールを3本くらい日常的に飲んでいる人は「多量飲酒者」だということです。
「アルコールの危険性について論文解説します」や「お酒は20歳になってから」に関する疑問」も合わせて読んでみてくださいね。
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