お酒を飲むと頭痛が起こるのは、アルコールを分解する過程で生じる「アセトアルデヒド」だけが原因ではなく、さまざまな要因が絡み合って二日酔いが起こっているからであることが分かっています。
ここでは、下記について書いていきます。
・頭痛への対策
・アセトアルデヒドに関する情報
私は現在、医療分野の外資系企業に勤務しており、禁酒は今日で丸71日です。
二日酔いの原因
厚生労働省のサイト「e-ヘルスネット」によると、二日酔いの原因は1つではなく、いろんな要素が絡み合っているようです。
実際のところ、最新の研究でも未だよく分かっていないようですが、考えられる要因は次の通りで、これらがいくつか絡み合って二日酔い症状が起こっていると考えられています。
二日酔いのメカニズム(助長要因)[2]の候補
厚生労働省 e-ヘルスネット「二日酔いのメカニズム」より引用
1.軽度の離脱症状
2.ホルモン異常・脱水・低血糖・その他
3.酸塩基平衡のアンバランスや電解質の異常
4.炎症反応の亢進
5.睡眠や生体リズムの障害
6.アセトアルデヒドの蓄積
7.胃腸障害
8.メタノール
9.酒に含まれる不純物(congener)
10.その他
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html
たとえば上記2.の脱水や低血糖は意識していないことも多いのではないでしょうか。
お酒を飲むと抗利尿ホルモンの分泌が低下するので、おしっこの量が増えて身体は脱水状態となります。
また、糖代謝に影響するホルモンのバランスも変化し、低血糖になってしまうこともあります。
そして上記5.にもあるように、睡眠が障害されることも要因となっています。
さらに、よく知られているのは上記6.アセトアルデヒドですよね。
アセトアルデヒドの分解が遅い人が二日酔いになりやすいということも報告されています。
お酒による頭痛への対策
お酒による頭痛ヘの対策としては、上記二日酔いの原因に対して、対策をしていくことになります。
それぞれ説明していきます。
脱水・低血糖に対して
まず、お酒を飲む際には必ず脱水が起こることを想定し、チェイサー(お水)をずっとそばに置いておき、お酒だけでなく多めに水も飲むと良いです。
それでも飲みに行った翌日に二日酔いによる頭痛が起こっている場合は、脱水はもちろんですが同時に低血糖状態になっている可能性もあります。
なので、ただ水を飲むだけではなく、できればスポーツドリンクなどの糖分が含まれているものが望ましいです。
ただし、もともと糖尿病をもっている人は主治医の指示にしっかりと従ってくださいね。
睡眠障害に対して
アルコールは睡眠の質を下げます。
遅くまで飲んでいたので寝る時間が遅くなってしまったという場合は最悪の睡眠クオリティです。
睡眠時間が少ないうえに睡眠の質も低いため、ほとんど眠れていない状態なのです。
それでは頭痛が起こっても仕方ありません。
対策は2つのみ。
②翌日は仮眠を取り早く寝る
なので、二日酔いで頭痛になりたくない人は少しでも多く睡眠時間を確保して下さい。
もし飲んだ翌日に二日酔いで頭痛があれば、なんとか仮眠を取り、その日は早めに寝ましょう。
もちろんアルコール無しで、です。
アセトアルデヒドの分解が遅いことに対して
アセトアルデヒドはアルコールの分解過程で生じる物質です。
アルコールの代謝は、
アルコール➡アセトアルデヒド➡酢酸➡二酸化炭素&水
という流れで進みます。
ここで、上記の「アセトアルデヒド➡酢酸」の部分が進まないと、体内にアセトアルデヒドがどんどん溜まっていってしまいます。
アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の多い/少ないは遺伝的に決まっており、人によって生まれつき違います。
ですので、もしアセトアルデヒド分解酵素が生まれつき少ない人であれば、飲むお酒の量を減らすのが理屈としては一番です。
アセトアルデヒドに関して
アセトアルデヒドに関しては、発がん性があることが分かっています。
下記、厚生労働省のサイトから引用します。
アルコールとアセトアルデヒドには発癌(がん)性があり、このふたつの酵素の働きが弱い人が飲酒家になると口腔・咽頭・食道の発癌リスクが特に高くなります。口腔・咽頭・食道の癌は一人に複数発生する傾向がありますが、飲酒と喫煙とは相乗的に多発癌の危険性を高め、ALDH2の働きが弱い人でも多発癌が多くみられます。
厚生労働省 e-ヘルスネット「アセトアルデヒド」より引用
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-005.html
このように、アセトアルデヒドは、それがよく触れる部分である口の中、のど、食道への発がんリスクを増やします。
アルコールは少量なら問題ないといわれていますが、あえて無理して飲む必要はないのではないかと思っています。
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