「ストロング系チューハイ飲んだらもう他のお酒には戻れないわ!」
「ストロング系チューハイのコラ画像ってめっちゃおもろいよね!」
近年、販売実績を伸ばし続けているストロング系チューハイ。
この記事では、そんな勢いのあるストロング系チューハイが売れている10の理由をご紹介したいと思います。
くれぐれも、お酒を飲む際は適正飲酒量を守ってくださいね。
※ちなみにここでは、アルコール度数9%以上の缶チューハイを「ストロング系チューハイ」として話を進めていきます。
ストロング系チューハイはなぜ人気があるのか?
数あるストロング系チューハイ中でも圧倒的王者として君臨している「-196℃ ストロングゼロ」も、その売上は右肩上がりとなっています。
以下、「サントリースピリッツ(株)事業方針」から引用します。
●2018年 振り返り
RTD市場は、食中酒としての需要拡大などにより、11年連続で市場が拡大しました。そうした中、当社の販売数量は7,922万ケース※4(対前年110%)と大きく伸長し、14年連続で過去最高を更新しました。「-196℃ ストロングゼロ」は、引き続き食中酒としての魅力を積極的に訴求し、3,827万ケース(対前年108%)と好調に推移し、「-196℃」ブランド計も4,032万ケース(対前年107%)と伸長しました。
●2019年 方針
▼「-196℃ ストロングゼロ」
しっかりとした果実の味わいが特長の“果実しっかりシリーズ”、ビターやドライなおいしさが特長の“甘くないシリーズ”の両軸で食中酒としての魅力を積極的に訴求し、ブランド計で4,400万ケース(対前年115%)を目指します。●2019年 振り返り
2019年サントリースピリッツ(株)事業方針より引用: https://www.suntory.co.jp/news/article/13359.html
RTD市場は、食中酒としての需要拡大などにより、11年連続で市場が拡大しました。そうした中、当社の販売数量は9,293万ケース※1(対前年117%)と大きく伸長し、15年連続で過去最高を更新しました。「-196℃ ストロングゼロ」は、引き続き食中酒としての魅力を積極的に訴求し、4,100万ケース(対前年107%)と好調に推移しました。
●2020年 方針
▼「-196℃ ストロングゼロ」
〈ダブルレモン〉〈ドライ〉は“食事に合う缶チューハイ”としての訴求活動を継続して行うとともに、〈ダブルレモン〉はブランドの根幹価値である“レモンまるごと”の魅力を訴求、〈ドライ〉は大幅にリニューアルし“キリッとしたうまさ”を訴求し、ブランド計で4,390万ケース(対前年107%)を目指します。
2020年サントリースピリッツ(株)事業方針より引用: https://www.suntory.co.jp/news/article/13626.html
このように、他のメーカーのものも含めストロング系チューハイの売上は好調に推移しており人気が出ていますが、そうなったと考えられる理由を10個挙げたいと思います。
人気の理由①「安い」
ストロング系チューハイはお手頃な価格で売られています。
コンビニでも350ml缶は150円くらい、500mlだと190円くらいで売られています。さらにスーパーやディスカウントショップではより低価格となっており、それぞれ100円、150円くらいで売られていたりします。
つまり、自動販売機でジュースやペットボトルを買うのと同じくらい気軽に買えてしまうのです。
人気の理由②「飲みやすい」
ストロング系チューハイは、度数が高いわりに消費者が美味しく飲める工夫がなされています。
「ビールや焼酎、日本酒、洋酒などの独特の苦みや香りが苦手だ」という若者や女性でも飲みやすいように、フルーティーかつスッキリとした爽快感のある味付けになっています。
人気の理由③「すぐ酔える」
現代社会においては、無駄なことに時間を使いたくないという風潮があり、短時間で効果的に酔えるお酒へのニーズが高まっています。
ストロング系チューハイのアルコール度数は普通のビールの倍近い9%もありますので、普通のビールやチューハイと同じペースで飲むと、より短時間で酔ってしまいます。
人気の理由④「糖質ゼロをうたっている」
近年の健康志向の高まりにより「お酒は飲みたいけど太りたくない」というワガママな消費者が増えています。
そこでメーカー側は「糖質ゼロ」「糖質〇%オフ」というコンセプトのお酒を開発しており、「飲みすぎは良くないけど、糖質ゼロだからまだ許されるよね?」という消費者心理を上手にくすぐっているのです。
人気の理由⑤「味のラインナップが豊富」
ストロング系チューハイは味のラインナップがとても豊富です。一例として、下の画像はストロングゼロの商品ラインナップですが、2020年3月現在で18種類もあります。
豊富な味のラインナップで消費者を飽きさせることがないので、特に〇〇党のように決まったお酒だけを飲むようなファンではなく、幅広い消費者層にアプローチ可能となっています。
人気の理由⑥「炭酸が入っている」
炭酸が入っているというのも重要なポイントです。
インターネットの各サイトを見てみると、「炭酸が入っているとアルコールの吸収が速くなる」といった情報も見られますが、本質的には「一度開けたら飲み切らないといけない」と思ってしまうことの方がより重大です。
炭酸飲料はいったん開栓すると徐々に気が抜けていきますよね。他のお酒はふたを閉めてまた次回飲むということができますが、ストロング系チューハイはアルコール度数が高いのに炭酸飲料であるがために、ふたを開けたら全部飲み切らないと思ってしまうわけです。
人気の理由⑦「宅飲みが増えた」
バブル崩壊後の不景気やデフレによって一般庶民の財布のひもは固くなり、外に飲みに行く機会は徐々に減ってきています。また、インターネットの普及等により個人個人のプライベートの過ごし方が多様化してきていることから、宅飲み(家飲み)をする人が増えています。以下のサントリーによるレポートをご覧ください。
さらに、宅飲みをする人が選ぶお酒としてRTD(すぐ飲めるお酒)が定着しています。そのRTDの代表格がストロング系チューハイなのです。
※RTD:Ready To Drinkの頭文字
人気の理由⑧「プロモーションのやり方がうまい」
ストロング系チューハイは売上を最大化させるためのマーケティングにもかなり工夫がなされており、特に「食事に合うお酒」というコンセプトを強く打ち出しています。誰でも食事をとりますから、そこに自然と溶け込むことができれば飲酒を習慣化させることができ、売上の最大化につながるのです。力の入れ具合は、冒頭にご紹介した事業方針の「訴求活動」からもうかがえます。
また、プロモーションについてはインターネットをはじめとした媒体で様々な広告を打ったり各種ポイントサイトなどとも連携し、若者を中心とした新たな消費者層を取り込むための工夫をしています。
コマーシャルを見る限りどこにも危険そうな様子はなく、本当に楽しそうな印象だけが残るプロモーションが展開されています。
人気の理由⑨「いつでもどこでも手に入る」
日本全国、お酒を扱っているお店のいたるところでストロング系チューハイが陳列されています。さらにいうと、ストロング系チューハイが売場面積に占める割合もとても大きいです。
また、24時間営業のコンビニでも豊富なラインナップがあるため、24時間365日、日本中どこでも手に入るお酒となっています。
人気の理由⑩「不安やストレス解消に使われている」
ストロング系チューハイを飲むと、急激に血中アルコール濃度があがり、脳の働きが弱まります。つまり、脳が麻痺するのです。
このことから、現代社会を生きていく中で直面する不安やストレスを解消するためにストロング系チューハイを飲むという人もおり、この有名なコラ画像まで生まれることになりました。
そのときは楽しいかもしれませんが、飲んで酔っ払っても目の前の問題がなくなることは決して無いのです。
まとめ:ストロング系チューハイはなぜ人気があるのか?
以上、ストロング系チューハイが人気がある理由をご紹介してきました。
まとめると、高濃度アルコール炭酸飲料が安くていつでもどこでも手に入るようになり、しかも飲みやすい。味のラインナップも豊富で糖質ゼロなので健康にも良さそう。飲むと楽しくなりそうなコマーシャルが目に入るし、実際飲むとすぐ酔えるのでストレスや不安解消にもなる。
こんなところでしょうか。
実はこれ、すべて業界とマーケティングによってあなたの脳内に刷り込まれた「思い込み」です。あなたの知らない間に、業界とメーカーのマーケティングの手のひらで踊らされているのです。あなたがストロング系チューハイを選んでいるのではなく、ストロング系チューハイがあなたに選ばれるように近づいてきているのです。
私はこのことに気付くのに随分と時間がかかってしまいました。
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