【お酒は嗜好品だからOK?】アルコールの危険性について論文解説

アルコールやタバコがいかに危険なものなのか論文解説します禁酒断酒

「違法薬物は絶対ダメだけど、お酒やタバコは嗜好品だし合法なんだから大丈夫でしょ」

そう思っているあなたは、アルコールやタバコの危険性をまだよく理解していません。

以前アルコール・タバコの危険性に関するツイートをしたところ、ちょっとした反響がありましたので、この記事ではその根拠となっている論文の中身を解説したいと思います。

私は現在、医療分野の民間企業に勤めており、2019年10月から断酒継続中です。

この記事を読むと、世界の薬物におけるアルコールやタバコの立ち位置が分かるようになります。

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参照論文について

参照論文はLANCET(ランセット)2007年掲載のものになります。

Development of a rational scale to assess the harm of drugs of potential misuse - PubMed
Drug misuse and abuse are major health problems. Harmful drugs are regulated according to classification systems that purport to relate to the harms and risks o...

ちなみに、「LANCET」は医学系では世界No.2の学術誌であり超一流誌です。

と言ってもイメージが付かないと思うので少年漫画に例えると、医学界の「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年マガジン」のようなものだと思ってください。

医師なら100%知っています。

逆にいうと、「LANCETって知ってますか?」と医師に聞いて、「は?なにそれ?」と言われたら、その人は医師ではなく詐欺師ですというレベル。

医学系の学術雑誌インパクトファクター 2018ランキング

1.NEJM (New England Journal of Medicine) ニューイングランドジャーナルオブメディシン IF=79.258 (bioxbio.com) “Our mission is to bring physicians the best research and information at the intersection of biomedical science and clinical practice” (About
2.THE LANCET (ランセット) IF=53.254 (bioxbio.com)
3.JAMA (The Journal of the American Medical Association;米国医師会雑誌)  Impact Factor of 47.7 “an international peer-reviewed general medical journal”
4.Nature Medicine IF=32.621 (bioxbio.com)
5.EBioMedicine (Published by Lancet) has an Impact Factor of 6·183 
・・・以下略・・・

http://scienceandtechnology.jp/archives/27891より一部引用

「ん?インパクトファクターってなに?」

と思った人も多いと思いますが、簡単にいうと「他の科学雑誌にどれだけ引用されたのか」を示す指標です。たくさん引用される=多くの人に信頼されている質の良い雑誌、ということです。

論文の内容について

論文タイトルは、

「Development of a rational scale to assess the harm of drugs of potential misuse.」

日本語にすると、

「潜在的な薬物乱用の害を評価するための合理的な尺度の開発」という感じですかね。

結論から言いますと、 「最も広く使用されている2つの合法薬物(アルコール&タバコ)が危害ランキング上位にあるっていうのはどうなの?というお話です。

独立した専門家グループ( 化学、薬理学、法医学、精神医学、疫学を含む他の医学専門分野、法律サービス、警察サービスに至るまで、多くの中毒分野のどれかでの経験あり)に危険度スコアを付けてもらったところ、下図のようになったということです。

アルコールは5番目、タバコは9番目にランクインしていますね。

ちなみに、ClassA・B・Cとありますが、こちらは薬物乱用法で規定されているものなので、下記Wikipediaをご参照くださいね。

1971年薬物乱用法 - Wikipedia

危険度スコアの付け方

では、この専門家グループがどのように危険度スコアを付けたかというと、下の表の通りです。

「身体的危害」、「依存」、「社会的危害」のそれぞれについて3項目ずつの合計9つの項目を設定し、それぞれ「0:リスクなし」「1:若干のリスク」「2:中程度のリスク」「3:高度のリスク」の4段階で点数を付けるというやり方です。

専門家グループ×精神科医の評価

また、上記の独立した専門家グループ(下図の横軸)だけでなく、精神科医(下図の縦軸)にも点数を付けてもらい、各薬物を評価したのが下の図です。

3のアルコールも10のタバコも高いスコアですよね。。

なぜ日本で合法になっているのか分かりませんが、おそらく過去の歴史と長い年月がその背景にありそうです。

いずれにせよ、アルコールやタバコは合法だからこそ私たちの危機意識が薄くなっているのは間違いありません。

20歳以上であれば誰でも買えるのですから。

論文中の記載

ここからは、論文中の記載を引用していきます。

Tobacco and alcohol have a high propensity to cause illness and death as a result of chronic use. Recently published evidence shows that long-term cigarette smoking reduces life expectancy, on average, by 10 years.Tobacco and alcohol together account for about 90% of all drug-related deaths in the UK.

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(07)60464-4/fulltextより引用

【日本語訳】
“タバコとアルコールは、慢性使用の結果として病気や死を引き起こす傾向が高い。最近発表された証拠(エビデンス)は、長期喫煙が平均で平均寿命を10年短縮することを示している。タバコとアルコールは、英国のすべての薬物関連死亡の約90%を占めている。”
 
 

Alcohol intoxication, for instance, often leads to violent behaviour and is a common cause of car and other accidents.

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(07)60464-4/fulltextより引用

【日本語訳】
“たとえば、アルコール中毒は暴力的な行動につながることが多く、自動車やその他の事故の一般的な原因です。”
 
 

Tobacco is estimated to cause up to 40% of all hospital illness and 60% of drug-related fatalities. Alcohol is involved in over half of all visits to accident and emergency departments and orthopaedic admissions.

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(07)60464-4/fulltextより引用

【日本語訳】
“タバコは、すべての病院の病気の最大40%、薬物関連の死亡者の60%を引き起こすと推定されている。アルコールは、事故および救急部門への受診と整形外科入院の半数以上に関与している。”
 
 

Interestingly, alcohol and tobacco are both in the top ten, higher-harm group. There is a rapidly accelerating harm value from alcohol upwards. So, if a three-category classification were to be retained, one possible interpretation of our findings is that drugs with harm scores equal to that of alcohol and above might be class A, cannabis and those below might be class C, and drugs in between might be class B. In that case, it is salutary to see that alcohol and tobacco—the most widely used unclassified substances—would have harm ratings comparable with class A and B illegal drugs, respectively.

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(07)60464-4/fulltextより引用

【日本語訳】
興味深いことに、アルコールとタバコはどちらもトップ10の高危害グループに属しているアルコールによる害の価値は急速に加速している。したがって、3つのカテゴリの分類を保持する場合、調査結果による1つの可能な解釈は、アルコールと同等以上の危害スコアを持つ薬物はクラスAであり、大麻およびアルコール以下のものはクラスC、その間にあるものはクラスBであるということである。その場合、最も広く使用されている未分類の物質であるアルコールとタバコが、それぞれクラスAとクラスBの違法薬物に匹敵する危害評価を有していることを確認することは有益である。”
 
 

The fact that the two most widely used legal drugs lie in the upper half of the ranking of harm is surely important information that should be taken into account in public debate on illegal drug use.

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(07)60464-4/fulltextより引用

【日本語訳】
最も広く使用されている2つの合法薬物が危害ランキングの上位にあるという事実は、違法薬物の使用に関する公開討論で考慮すべき重要な情報である。”

まとめ

世界の認識と日本国内の認識は全く異なります。

そろそろ目を覚ましましょう。

日本ではアルコールやタバコはいつでもどこでも手に入れることができますが、「合法だから安全」というわけではないのです。

アルコール飲料メーカーが日本のマスメディアの大手スポンサーになっており、一般消費者に正しい知識が普及しづらいという環境が、今の日本のアルコールリテラシーの低さにつながっています。

だからこそ、これらの危険性を一人一人がしっかりと認識し、近づかないようにしなければなりません。

そして何より、私たちの子供たちや後世にこのことをしっかり伝えていかなければならないのです。

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このように、アルコールという合法薬物はやめようと思ってもなかなか手強いです。
もしお酒をやめたいと思っているなら、まずは自分の禁酒失敗パターンを知るところから始めてみましょう。

「禁酒が失敗してしまう原因とその対処法」「禁酒に失敗する3つの理由【失敗しない方法も解説します】」も合わせて是非ご覧ください。

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